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謎の地下鉄(その4) [地下鉄の謎]

堺筋線天下茶屋駅
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堺筋線の動物園前-天下茶屋間は、南海天王寺線の廃止および南海天下茶屋駅の高架化に合わせて工事が進められて、1993年に開通します。堺筋線の天下茶屋駅は、南海の高架構造と一体に、その地下に造られ、2面3線のホームと、その南側の3線の留置線とを備えています。
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(配線図の出典は第1回と同じ)
1番線は、平日は使用されていませんが、たとえば花見、紅葉狩りの季節には、嵐山ゆきなどの直通列車の発車線として使用されます。また、土日休日ダイヤの昼間時間帯には、1番線は、天六方面からの電車の到着線として、降車専用で使用され、乗客を降ろした電車は、駅南側の真ん中の留置線(配線図のYT)に引き上げられたあと、2番線または3番線に進入して客扱いをして、再び天六方面に出発して行きます。
写真は、1番線のホームから3本の留置線を見たところです。真ん中の留置線YTには、私が乗ってきて1番線に到着した電車が引き上げられています。また奥の留置線ZTには、夕方の増便用の電車が留置されています。ちなみに、留置線ZTには3番線からしか出入りできず、留置線XTには1番線からしか出入りできません。
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さて今回の謎は、手前の留置線XTの奥にあります。写真をご覧ください。
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留置線XTは、他の留置線と並行にまっすぐに伸びたあと、なぜかいちばん奥で左に曲がって、その先が見えなくなっているのです。拡大します。
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単なる留置線であれば、配線図に描かれているようにまっすぐのまま終わっていてもよいはずですが・・・。
私は、この留置線XTの奥のカーブは、堺筋線と南海本線の相互乗り入れを模索した痕跡と考えています。なぜなら、左へそれると南海の高架構造の外側に出ることができ、そこから勾配を登って南海と同レベルに達することができるためです。
本来、堺筋線は、阪急および南海との相互乗り入れを意図して計画された路線でしたが、両者の軌間が違うことが課題となっていました。しかし1970年の大阪万国博覧会会場へのアクセスを優先することになり、南海との相互乗り入れについては今後の課題として、とりあえずは、標準軌で建設して阪急との相互乗り入れを開始したという経緯があります。
1993年の時点でも、軌間の違いをどうするかという課題は解決されていませんでしたが、とりあえず駅自体は、天下茶屋からさらに南、和歌山方面への直通を考慮した構造とされたのではないでしょうか。
配線図からも、天下茶屋駅が、通過駅として設計されたことが推測されます。つまり、真ん中の留置線YTが当駅停まりの電車の折り返し線、留置線XTが和歌山方面への通過線、そして留置線ZTが、天六方面への通過線と考えれば、留置線ZTには3番線からしか出入りできず、留置線XTには1番線からしか出入りできないことも納得がゆきます。

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