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2両の3001号 [PCC]

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マサチューセッツ湾交通局の前身であるボストン高架鉄道(BERy)と大阪市交通局には、ともに当時の先端技術を導入した、3001号という奇しくも同じ車番の試作車両があり、しかも両車はよく似た経歴を持っていました。
まずボストンの3001号は、乗務員および検車工場の習熟用として、また市民への新車導入の宣伝用のデモンストレーターとして、1937年に試験的に導入されますが、1941年に量産車が増備されるまでは、ボストンでたった一両のPCCカーとして運用されます。
一方、大阪の3001号は、六大都市の交通局が組織した「無音電車規格統一研究会」の研究成果として、1953年に試験的に製造されますが、1956年に3001形量産車が増備されるまでは、大阪市でたった一両の和製PCCカーとして運用されます。
ボストンの3001号は、その後の増備車とは客扱いの設備が異なるため、運用路線が限られていましたが、大阪の3001号も、他車とは出力などが異なることから、運用が限られていました。
その後、ボストンの3001号は1941~42年と1944~45年にそれぞれ、戦時体制下で不足する台車部品を他のPCCカーに譲って休車となりますが、1945に完全復活を遂げると1950年に廃車になるまで活躍を続けます。そして廃車後に保存の計画もありましたが、大阪の3001号が製造された1953年に解体されました。16年間の生涯でした。
一方、大阪市の3001号は、後継である3001形量産車が製造された1956年に3000号に改番された後、1966年に廃車になるまで活躍し、廃車後に保存の計画もありましたが、1972年に解体されました。19年の生涯でした。
上記のように、どちらの3001号も車体は解体されて現存していませんが、ボストンの3001号の台車は、1台だけですがSeashore Trolley Museumに保存されています。また大阪の3001号の台車(FS251)も1台だけ、少なくとも森ノ宮検車区が閉鎖されるまでは、同区で保存されていました。写真は、森之宮時代の同台車です。
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